蝋梅六華

P.S.2

個人サイトなら後書きのためだけにページを設けることもできる。
徹頭徹尾調子こいた内容なので広いお心持ちでご覧ください。

崋椿系

屋台蕎麦の客
わかる人にはわかるオチにした、拙宅長英さんの話です。
『二物考』と蕎麦屋の推察を通してちろっと崋山さんの影が見えているのがミソ。隙を見て推しをねじ込んでいく。
ちなみにWorksのページにも書いてある通り二次創作とは違う人物像・関係性なので、崋山さんとはビジネスパートナー兼気の合う友人という関係に留まっています。

紅涙を絞る
明治の老境に入った友信様と康直様の妄想てんこもり話。古い作品ですが、いわゆるエモい場面をたくさん入れられたかな~ということでお気に入りです。
この二人が一秒でも仲良くできていたかどうか甚だ怪しいですが、私の時空ではそういうことになっています。案外意気投合してるかもしんないじゃんね。
どうでもいいですが上記の蕎麦の話と、もう一つ(あまりにも短いので載せ方に困って)サイトに載せていないSSを併せて、弊歴創スターターキットとしてぷらいべったープラスに放り込んでいます。マジで短いのでよかったらそっちも読んでみてください。

金魚のふるさと
父親&師匠コンプレックスに苛まれる幼き日の小華くんいいよね〜〜という話です。
13歳で江戸に出てきて偉すぎる、と思うけど全部周りの大人たちが決めていったことで逆らう余地なんてなかったんだろうな……みたいな。時代が時代なのもあるし、自分には渡辺崋山の絵の後継者になる「義務」が有無を言わせず課せられていることを意識させられていただろうなって。
江戸に出る時崋山さんの弟子二人が迎えに来てくれて椿山さんの塾で教育受けて育てられるってすごく大切にされているけど、こんな待遇されたら周り全員が渡辺崋山の後継者に育て上げようと必死なのを否が応でも感じるよね。
お兄ちゃんは家の跡継ぎで、自分は画門の跡継ぎで。それはもう決定事項。まあ後々家も継ぐことになるんですが。
そんなプレッシャーかけられた立場で下からの突き上げもあったらそりゃ拗らせるでしょ。小華くんのWikipediaに載ってるエピソード、どこ出典なのかまだ見つけられてない(史料漁りサボってるから)けどそんな漫画みたいな……!!!って感じで大好きなので絶対創作に取り入れたかった。
その結果があれです。野口幽谷くんはさっぱりした人なのでいつでも善意100%。兄弟子をdisったつもりは毛頭なかった。
あとあれ、椿山さんに自分のこと一人の人間として見てほしいって思っててほしいし、椿山さんも崋山さん大好きすぎてちょっと他のものが目に入らなくなってるといいなと思う。これは完全に趣味。

田原藩で流しそうめんした話
お気楽な歴史創作が書きたいな~とSNSに書き込んだ瞬間ふっと思いついたものをそのまんま出力しました。
時系列はざっくりで、出せそうな人を出せる範囲でいっぱい出しました。
崋椿系のとことか、書きながら「これ私以外の人はキャラの見分けつくのか?」と思ってましたがめちゃめちゃ楽しかったです。
それにしても自分ですら呼称がややこしかった。呼称表作ろうかな。

寂しき忠臣
渡辺崋山を取り囲む二人の自刃した男、竹村悔斎と真木定前(重郎兵衛)。
この二人が縁づく物語をずっと書きたくてね~~~。せっかくなんだから絡めたいじゃないですか自刃トリオ。なんちゅう呼び方だ。
崋山の周りには竹村や真木や椿山といった色んな「信頼する相手」がいて、その信頼のありようがそれぞれ少しずつ違う……というのが妄想設定のミソです。
自刃の影響は時系列的に紛れもなく竹村→崋山→真木の順に伝播しているので、真木の立場からすると竹村は圧倒的に敵わない存在である。というのもミソです。
真木主役で村上範致(定平)と三宅友信をサブキャラに据えたので、立場上対立する三宅康直のキャラ設定(※全部妄想)に関しては丸ごと切り落としてしまおうと思ってたんですが、なんか物足りないし納得いかない……やっぱ趣味だし全部盛りすっか……というわけでやや強引ですが描写を入れました。
康直側の事情や心のうちももうちょっとしっかり書き込みたかったなとも思いつつ、今の実力では真木視点の軸をぶらさずにやれるのはあれが限界。

もう一つ、「死者には勝てない」という小テーマを入れてみました。
要するに「渡辺崋山のうちに竹村悔斎の占める場所があってほしい」という妄想です。そしてそこには誰も立ち入れない。
生者の接触には関わり続け互いに変容し続けるしなやかな強みがあるけど、死者は死んだ時点で関わってきた過去ごとすべてを固着してしまう頑強さがある。
自刃を遂げた時点で竹村は「そういう存在」として崋山の中で固定されてしまった。
崋山から見れば竹村はそんな風に代わりのきかない存在だし、後から崋山と親しくなった人は「竹村の死を経験した後の渡辺崋山」の姿、価値観、ありようしか知らない。
竹村の死に様なくして今の崋山は成立しない。意識するとしないとにかかわらず、竹村は崋山を捉えて離さない。
みたいな。
まあ前提として崋山と竹村がめっちゃ仲良しでなければならないんですが、竹村は一日に二回崋山の家を訪ねてくることがあったらしいので大丈夫です。何が?
いや~竹村さんと崋山さんの関わりもっと創作でクローズアップされて然るべきだと思うんだけどな~~~!?
そしてそこに真木くんを絡めてほしいし、真木くんには叔父上大好き定平くんを添えてほしい。そんな願い。

徳川

ただ人であれ
他人様の企画に乗っかって一億年ぶりぐらいに徳川将軍家の話を書きました。
うちの吉宗はドライなものの見方をする策略家で、ドライすぎて身内(家重とか)にはめちゃくちゃ怖がられているという設定なんですが、唯一の例外が宗春さんで、吉宗のどんな顔を見てもけろりとして笑っているのかもしれません。裏表がなくてどんな立場に立ってもずっと変わらない宗春さん。
人間辞める覚悟を決めた吉宗が、宗春さんに謹慎を命じる裏側で「自分をひとにしてくれてありがとう」と思ってて、それを宗春さんだけが悟っていたら萌えだなあ。